自動販売機は、トイレ前が大人気!?

缶飲料にもいろいろ・・・

先日、ペ○シの関係者に話を聞く機会があった。

ペ○シといえば、コーラで有名なところであるが、サ○トリーの傘下なので、ウーロン茶などサ○トリーの製品も扱っているのね。

競合といえば、コ○コーラとか、ダ○ドーがあるようだが、地域によってこの勢力図は違ってくるという。
新潟ではダ○ドーが強く、コ○コーラの営業所が撤退するほどとか・・・。

商品展開で重要なポイントのひとつが、自動販売機の設置場所である。
どこが一番いい場所か?と問われれば、それはパチンコ屋のトイレの前なのだそうだ。
これは、入り口の横より、入り口から出た正面がもっとも良いとされる。

一般人の考えでいえば、トイレの前など何の価値もない、逆に避けるべき場所であるように思われるが、この業界では如何にトイレの出口正面のいい場所に取り付けるかというのは、重要な問題である。
新規に店ができ、場所ができるとなれば、熾烈な争いが行われる。

長時間、パチンコなど楽しんだお客がトイレに行って一息ついたところで、目に付く自動販売機は、もっとも売上を上げるポイントのひとつとなるわけだ。自動販売機の設置にも人間心理は深く関与しているようだ。

パチンコ店が如何に有望な市場であるかということは、その証拠に、自動販売機の収納能力は3〜4万程度で、一般的なところでは、数日に一度回収すればいい程度だが、条件のよいパチンコ店のトイレ前では、一日で収容能力を満たすという事実からもわかる。

しかし、私たちは注意しなければならない。
どこの自動販売機の商品も、すべて安全で同じ味のおいしいものであるかどうかということを・・・

缶飲料の類は、密閉され保存性が高いが、もちろん消費期限もあるし、劣化もする。
何度も加熱を繰り返せば、コーヒーに含まれたミルク成分は変化を起こすこともある。
コーヒーもすっぱくなるのだ・・・
ダ○ドーなどは比較的に早い時期からホットをはじめる傾向にあるというが、加熱された缶飲料はそれだけ劣化も進む。
販売会社によっては、寒い時期でも売れ残り商品劣化を恐れ、ホットを控える判断をする場合もある。

コンビニなどでは商品棚の商品はちゃんと管理されているが、自動販売機に収納された缶の管理は、そこまで確実でない可能性もある。
道端にポツンとたたずんでいる自動販売機からでてきた缶の中身は、スーパーで並んでいるものと同じ味でない可能性もあるのだ。

また、新商品が出てた場合、古い商品の在庫を効率的処分できないといけない。
缶のラベルは同じでも、中身は新旧商品で異なっている。

そこで、重要なのがやはりパチンコ店などである。
一般のスーパーなどに比べて、商品の味などにそれほど注意を払わず、効率よく飲料が消費されるので、古い在庫が流れる可能性が高いのだ。
こんなところの自動販売機で買うのは、ロシアンルーレットに近い・・・
缶飲料を買うときは、一度消費期限を確認し、できるだけ新しいものを買いたいものだ・・・

そんな、ペ○シコーラの原価はどれくらいなのだろうか?
これは、おおよそ6X円程度になるらしい。
コ○コーラは、すでに製造設備の費用が完済しているので安く作れるようだが、ペ○シコーラは厳しいようだ。

さらに120円で売って、残りがすべて儲けかというとなかなかそうはいかない。

自販機での販売の場合、通常、置き場所を提供する相手に、売上に応じた比率の場所代を支払うことになる。あわせて電気代も支払わなくてはならない。

お店に置く場合も、7X円の仕入値などになることもあり、なかなか儲からない。
企業の生協などに納めると、企業内で売れ残りを他の事業所の生協とやり取りしたりするので、他の事業所へ売ることもままならない。

もっとも、利益率の高い売り場はペ○シの工場敷地内にある自動販売機である。ここなら場所代も払う必要がなく、輸送費もかからないので、もっとも利益率が高いのだ。

ちなみに、一般のお店や事業所などの中には従業員用の自動販売機を設置することもある。
店頭用と従業員用で、業者が異なる契約になることも多々あるようだ。
従業員が、店頭の自動販売機で購入している姿は、あまり良い印象では無いので、従業員は必ず従業員用の自動販売機を使うようにという決まりごとになっているところもあるそうだ。
さらに、従業員用の自動販売機は、表示料金が100円でも90円で買えたりするように設定されている場合もある。従業員用に90円で提供しているなら正直に90円と表記すればよいと思うところだが、これは、他の業者がこれを見て「そちらが100円で提供してるなら、ウチが90円で提供しましょう」というような、水面下の熾烈な売り込みが日常的に行われるところで、他社の目をごまかすためのカモフラージュという意味があるようだ。
敷地内に自動販売機がある会社などを訪れた時は、ためしにジュースを買ってみるのもいいかもしれない。
もしかすると、表示金額100円を入れて10円のおつりが帰ってくるかもしれない・・・

そんな自動販売機の商品配列は、結構、その現場の担当職員の嗜好に左右されるという。
基本的には、その場所での売上傾向を考慮した売れ筋を中心に配列するが、残ったところのには、最終的にその自動販売機に担当者の采配に任されるのだ。
甘党の担当者のところは甘いもの多くなったり、自動販売機をみると担当者の傾向が読み取れるかもしれない。

缶飲料ひとつにも、いろいろと企業の思惑や事情が込められているわけだ・・・